個人開業はなかなか現実的ではない

前ページまでは、通関士としての活躍の場として就職や転職を前提にしたお話をしてまいりました。ですが、「せっかく資格を活かして働くのなら、やっぱり自分の腕一本で頑張ってみたい」という方もいらっしゃると思います。
通関士として独立が可能であれば、少し経験を積んだ後にいずれは個人で実務に携わる道というのも開かれますね。

しかしながら、結論から申し上げますと、通関士として個人で開業するのは極めて難しいことであると言えます。その理由として、第一に「高額な関税の立て替えが困難である」ことが挙げられます。
実務上、輸入通関を代行する際には、輸入者側が関税を立て替えることになっていますが、場合によっては、立て替える関税が数百万円単位となることも決して珍しいことではありません。
この点を考慮すれば、通関業務を請け負う場合には、ある程度の資金力が必要になってくると言えるわけです。ここが、個人開業特有の“弱み”になってくるのではないでしょうか?

加えて、「通関後の品物の保管や輸送を依頼されることがあり、対応が難しい」といった点も個人開業ならではの課題です。法人規模の通関業者であれば、自社で倉庫やトラックを有し、顧客ニーズに対応できる会社もあるでしょう。
ですが、個人開業の場合にはそうはいきません。通関業者も顧客獲得のため競争を余儀なくされる時代ですから、通関士として個人で独立したとしても、こうした戦いの中では極めて弱い立場に立たされることは明らかです。

もちろん、実務上必要とされる資金や場所、輸送依頼への対応といった問題に充分対応できる資力があるのであれば、個人開業でも数ある競合の中で渡りあえるのかもしれません。ですが、一個人で資力面を整えるというのもなかなか難しいこと。
現状、通関士として個人で独立しているケースが少なく、大半の通関士が会社勤務で活躍されている背景には、こういった理由があるのです。

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